田人町 O邸

社団法人福島県建築士会主催「ふくしま住宅コンクール」(第17回)優秀賞受賞
O邸(田人)

O邸 O邸

壮年夫婦の家で将来の高齢生活も考慮し、できるだけシンプルで全体的に必要最小限の計画とした。
外装もまたシンプルでメンテナンスフリーを目指している。そのため全面的に金属板を採用、生活の余暇を表現する開放デッキと一部ジョリパットによるアクセント。

あくまでもシンプルにたたずむこと。それが圧倒的な自然の中でデザインする時の礼儀作法だと考えている。風除けの西面木製下見ルーバーと南側木製デッキにより、金属的な外観に住宅としてのバランスを保たせた。
デッキには手摺を設けないで広縁のようにした。そのことで外部と室内がより一体化するはずである。

外構は生活しながら徐々に整備する。強烈な自然のなかで、人為的な外部環境が考え出されるか楽しみではあるが、設計者としては最もふさわしい外構は畑ではないかと思っている。

高齢生活も視野に入れ、寝室以外はできるだけオープンスペースとしている。結果として通風が良くなり、十分な日照が得られている。また屋外生活の充実のためデッキや下見ルーバーに囲われたテラスなど半戸外空間を設けた。

O邸 O邸
画像 015 O邸
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種々の議論の結果、浴槽はなくスチームシャワーのみとした。新たな生活観である。浴槽が欲しくなれば半戸外露天風呂でも良いだろうと考えている。また、タタミも無く将来必要であれば置き敷きで良いと考えている。
薪ストーブは余暇を楽しむものとしてしつらえたが、昨冬は床下スラブヒーター放熱だけで十分過ごせたようである。
スロープ、屋内全面バリアフリー、オープンキッチン、スチームシャワーなど高齢生活に具体的に備えた。
内装は全て自然素材、地場の板材(杉、松)と珪藻土を基本に必要最低限の建材を用いた。家具も大工棟梁の手持ち材(かつら)による指し物である。
井戸を採掘して生活水利用、エコキュート給湯、深夜電力利用スラブヒーター、薪ストーブ、ペアガラス、外壁通気工法など結果的に環境循環型でサスティナブルな建築を指向するものとなった。

所在地 いわき市田人町 構造 木造平屋建て
延床面積 94㎡ 竣工 2006年